就労制限のある在留資格をもつ回答者の8割が「特定技能」取得に向けて行動を開始~「特定技能」取得の壁は「申請方法が分からない」や「就職先が見つからない」~
今年4月に在留資格「特定技能」の創設から一年を迎えるにあたり、株式会社YOLO JAPAN(代表取締役:加地太祐、東京本社:東京都港区、以下「YOLO JAPAN」)が実施したアンケート調査※によると、就労制限のある在留外国人会員のうち8割は、人材不足が著しい14業種に特定し最長5年間の就労を可能にする、特定技能の取得に向けて情報収集や申請書の提出などの行動を起こしていることが明らかになりました。
※アンケート実施期間:2019年12月10日~2020年1月22日、回答者:57ヵ国294名のYOLO JAPAN会員
■調査結果
1. 就労制限のある在留資格を持つ在留外国人の8割が特定技能取得に前向き、主な理由は長期日本滞在
2. 宿泊業や外食業が人気だが、実際に取得された業種は在留資格により異なる
3. 特定技能取得の壁は「申請方法」や「取得要件」
4. 特定技能に関する主な情報源はソーシャルメディアやSNS
1. 就労制限のある在留資格を持つ在留外国人の8割が特定技能取得に前向き、主な理由は日本での長期滞在
アンケート調査に回答したYOLO JAPAN会員は、技能実習、留学生、家族滞在、特定活動、文化活動のいずれかの就労制限がある在留資格で日本に滞在しており、特定技能について「取得を検討しており、情報を集めている」(65%)、「取得したいと思っており、取得に向けて申請書の提出等の行動を行っている」(15%)と答えています。また、回答者のうち34名が特定技能を取得していることが分かりました。
さらに、技能実習2号を修了していれば試験を受けることなく特定技能の申請が可能となる技能実習生については、全回答者(技能実習1号~3号までを含む)のうち9割が特定技能に切り替えたいと答えており、特定技能への高い関心が浮き彫りとなりました。複数回答で得た理由として、「日本にずっといられるから」(78%)、「家族を日本に呼べるから」(58%)、「就労時間の制限がなくなるから」(53%)、「受入機関または登録支援機関による支援が受けられるから」(50%)が挙げられました。
2. 宿泊業や外食業が人気だが、実際に取得された業種は在留資格により異なる
取得したい特定技能の業種(複数回答も可)については、フロントやレストランの接客業務なども含まれる宿泊業がトップにランクインしました。次いで、外食業、飲食料品製造業、介護となり、比較的受け入れ見込み数が多い業種が人気を集める結果となりました。それ以降は、技能実習生のビザ切り替えが期待される、電気・電子情報関連産業や産業機械製造業が続きました。
実際に取得した特定技能の業種を比較すると、産業機械製造業(27%)または電気・電子情報関連産業(27%)のビザを取得した技能実習生の数は合わせて全体の5割を越えました。一方で、留学生、家族滞在、特定活動、文化活動のいずれかに該当する資格で日本に滞在する外国人のなかでは、介護(17%)と外食業(17%)で特定技能を取得した人が最も多い結果となりました。
3. 特定技能取得の壁は「申請方法」や「取得要件」
特定技能に関する情報取得方法について、ソーシャルメディアやSNSを通してと答えた回答者(61%)が最も多く、口コミなどの知人や友人から情報を得ている人(34%)も多くいることが分かりました。そのほか、日本(43%)や自国(19%)の官公庁ホームページから直接情報を得ている人も一定数の割合を占めています。また、回答した技能実習生40名のうち、14名は技能実習の就労先から情報提供を受けたと答えています。